【コラム】メンタル疾患にブログが効くのはなぜ? 3選
これまでのあらすじ
ブログを始めたことで、うつ病から抜け出すことができました。
罹患期間は約2年半。
前半は精神的な落ち込みに苦しめられました。後半は、集中力の低下に悩みました。
とはいえ、ナントカ完治。
文章を書き続けることでどんな効果があったのかを考察していきたいと思います。
Contents
自己肯定感とは?
鬱病から抜け出すためには、何よりも先に自己肯定感を回復させることが急務です。
まず、自己肯定感とは何なのか?というところを見ていきましょう。
まずはWikipediaから引用。
自己肯定感(じここうていかん)とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉であり[1]、自尊心(英語: self-esteem)、自己存在感、自己効力感(英語: self-efficacy)、自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる言葉である[2][3][4][5]。現在、これらの言葉は多義的に用いられることが少なくなく、結果としてあらゆる肯定的な心理的要素を表現する包括的名称(umbrella term)となっているという指摘がある[6]。
自己肯定感の訳語としては、self-positivity、self-affirmationなどを当てはめる試みがなされてきたが、近年ではself-affirmationが使用されている[5]。
平たく言ってしまうと、「自分は価値のある人間だ」という感情を
自己肯定感と呼ぶのかと思います。
失敗は誰にでもあるものですが「次は頑張ろう! いつかきっとできる!」と思えるか。
「失敗してしまった……。自分はダメ人間だ」と思ってしまうか。
後者が自己肯定感の低い人にあたります。
幼少期に成功体験を積めなかった人や、親から否定されがちな人などは特に、自己肯定感の低い人になりやすいと言われています。
日本人の自己肯定感はそもそも低い
そもそも論ですが、日本人に生まれたという時点で、自己肯定感のハンデがあります。
その証拠がこちら。
じゃん。

うわっ。私の年収低すぎ……?と書かれている広告が少し前にありましたが、
「うわっ。日本人の自己肯定感、低すぎ……!?」ですよね。
上のグラフは(内閣府 令和元年版 子供・若者白書 :特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~)からの調査結果です。
“謙虚”というと聞こえは良いですが、社会の荒波を乗り越えていくためには、自分の力を信じること、つまり自己肯定感は必須スキルだと考えています。
日本人は、もともと鬱病になりやすい人種なのでしょうか。
で、その自己肯定感はなぜブログで培えるの?というところに入っていきたいと思います。

考察① 脳科学_シナプスの再構築
「脳科学x心理学で 自己肯定感を高める方法 (弥永英晃著)」より。
神経科学者のリュック・カンデル教授は(中略)
脳にはポジティブな神経回路とネガティブな神経回路があって、その回路は自分で増やしたり無くしたりできることを科学的に証明しています。
ずーっとネガティブなことを考えている人は、だんだんと思考回路がネガティブ回路優位になっていって、ポジティブなことを考えている人は、さらに楽観的になっていくという研究結果ですね。
なので、うつ病思考のひとは、脳の回路レベルでポジティブ人間に矯正していくことが大切です。
ポジティブな言葉を言うことで、幸福感、満足感に関係する神経回路が形成されていきます。
さらに、人間の司る偏桃体の過剰な反応が抑えられ、脳にネガティブな記憶が残るのを防ぎ、私たちは安心感、充足感、満足感で満たされます。
ブログを通じて自分の好きなモノやコトを伝えるというのは、基本的にポジティブな言葉を使うことと同義だと私は考えます。
知っているから好き、好きだから知っている、という事ですよね。
例えば書評ブログを書いている場合は、書きながら「自分は読書家で努力家だ」「他人の知らないような知識を私は知っている」「新しい知見を得られた。私は成長した」などと頭の中で思い描いているはずです。
外の世界がいかにネガティブな世界だったとしても、ブログを書いている間はポジティブの世界の住人になることができます。
これを繰り返していくうちに、頭の中の自己肯定感回路が強化されていくものなのだと思います。
※とはいえ、自己肯定感xブログの科学的根拠はまだ研究の余地があるらしく、わかっていないことも多いようです。続報にも期待です。

考察② 心理学_定期的に書くことで幸福度や健康度が増す
心理学については、さまざまな研究結果が上がっています。
一例として、アダムグラント博士(心理学者)の論文から。
将来の目標や夢の達成について文章を書くと、幸福度や健康度が向上する可能性があることが、Laura King氏による研究で明らかになっています(中略)。また、Jane Dutton氏と筆者の研究でも、ストレスの高い資金集めの仕事をしている人に数日間、自分の仕事にどれだけ世の中を変える影響力があるか、というテーマで日誌をつけてもらったところ、それから2週間にわたって1時間あたりの業務効率が29%アップしたという結果が出ています。
The Power of the Pen: How to Boost Happiness, Health, and Productivity Published on 2013 M05 28 (Adam Grant博士著)
失業したことについて自分の考えや感じたことを文章にしていたエンジニアは、自分をクビにした雇用主に対して怒りや敵意を示す度合いが低いことがわかりました。また、酒量も少なかったのです。8カ月後、比較対照群のエンジニアでフルタイムの仕事に再雇用された人の割合が19%以下だったのに対し、表出型の執筆行動を行っていた人ではこの割合が52%以上に達しました。
「人々が書くとき、」Pennebakerは代名詞の秘密の生活で、「健康的な変化が起こる」と要約します。
○○効果 という名前が付いているのかは分かりませんが、
>将来の目標や夢の達成について文章を書くと、幸福度や健康度が向上する可能性がある
ということはブログを書くことにも通じるのではないでしょうか。
たとえば、時間管理術の本を読んで、内容や感想をブログにアップします。
そうすると自分が著者の一部になったような、
代弁者になったような不思議な感覚に見舞われることがあります。
自分は既に時間管理術を習得している人間だ……という充足感が自己肯定感につながっていくのではないでしょうか。
ちなみに小林弘幸さんの著書で
日記を書くことで交感神経と副交感神経のバランスを整える効果がある
という記載があるようです。
脳科学的にも、心のざわつきを抑えるために、ブログ執筆は良い習慣なのだと思います。

考察③ 学習学_要約することで雑念を掃除する
学習学の提唱者である本間正人氏と、Y’sラーニング株式会社代表取締役の浮島由美子氏の共著『自分の考えがうまく伝わる「要約」の技術 』にも、
要約力のトレーニングとして「日記をつけること」がおススメです。(意訳)
と書かれています。
鬱病の症状の代表的なものの一つが判断力の低下。
頭の中で増えすぎてしまう雑念(ネガティブなものが中心)が原因です。
自分の中に持っている知識を文章に要約してまとめることで、
脳の雑念は少しずつ減っていきます。
また、「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術(樺沢紫苑)」による精神科医の著書では、頭に浮かんだ雑念をメモなどにアウトプットして忘れることを提唱しています。
私も、ブログを書く上で
悩んでいることなどを少し絡めて書いたりしていました。
ネガティブな考えも、外に発信してしまうと意外と小さな塊しか出てこないことに気付いたりします。
ブログに思いを書くことで脳のワーキングメモリーをすっきりさせる。
モヤモヤしているものを吐き出すことで、低い自己肯定感を昇華させてあげることができるのだと思います。
次の記事で、私が実際に取り組んだ体験記に戻りたいと思います。(続く)
後記:「ブログでメンタルを整える方法」終了後に「医学的根拠も調べてみたら?」と池田千恵さんからアドバイスをいただいて書いたものになります。
今日のひとこと
・ブログを書くことで自己肯定感を取り戻そう