荘子 外篇(中公文庫)荘子 (著), 森 三樹三郎 (翻訳)

「無為自然」「老荘思想」で親しまれている荘子。

読んだきっかけ

最近『達人伝』という漫画に思わずドハマりしてしまいました。
中国の春秋・戦国時代末期のお話しで主人公は荘子の孫という設定。
「木鶏」のエピソードや「天地の正に乗じて六気の弁に御し、以て無窮に遊ぶ」という荘子の名言が散りばめられていて
好奇心の赴くままに、本書を手に取ることになりました。

達人伝もおススメです

荘子について

荘子と最もセットで語られている言葉は『無為自然』でしょう。
彼の思想の根幹を砕いて表現すると

 ・運命に逆らわずに生きていいくこと
 ・万物は流転する、それを滞らせてはいけない

という二言に集約できると思います。


荘子の著書は主に内篇・外篇・雑篇の3部構成で知られています。。
内篇は自然が人間をとりまく運命だとして、人間の外にあるものととらえた内容です。
外篇は、」自然が人間の内面から発生しているものだとしている章です。雑篇もかなり近い内容になっています。

なお、内篇が荘子自身の著書、
外篇・雑篇は荘子の弟子たちが編纂した著書だとされています。

内容 : 木鶏は良い!

「木鶏」のエピソードが一番好きです。是非紹介したいと思います。

紀悄子が闘鶏を養っていた。10日経ったとき、王は「鶏はもうよいかね?」と尋ねた。「まだです。空威張りして、向こう気が強いばかりです」。10日経ってまた尋ねると「まだです。相手の声や影にさえ向かっていこうとします。」さらに10日経ち「まだです。相手をにらみつけて意気が盛んです」。
 10日経って再度尋ねた。「もう十分でしょう。ほかの鶏が鳴いても一向に動じません。遠くから見ると木彫りの鶏のようです。自然の徳(はたらき)が身に付きました。ほかの鶏も相手になるものがなく、姿を見ただけで逃げ出してしまいます。」

第19 達生篇

本当の強さとはどうあるべきか、考えてしまいますね。
仕事において、プライベートにおいて、人として。


(余談コラム)書き下し文は慣れると楽しい!

本書は漢文の書き下し文と、現代語訳を文節ごとにセットで解説しています。
漢文なんて高校の授業以来だ!という感じで最初はなかなか進まない。
30ページ読むのに1時間掛かり難儀しました(笑)
しかしながら筋トレみたいなもので、100ページくらい読んでいくとだんだん読書筋(?)が付いてくるんですよね。
最後の100ページは30分くらいで読み進められるようになりました!

荘子のような古典は、読みやすいようにかみ砕いた本もたくさん書店に出ています。
読みやすい反面、筆者の考え方に引っ張られて、「フーン。」で終わってしまうことも多いです。
本書のような原文を残した本は、読了するのに少し体力のいる本でありますが、読んだ後で自分のなかでいろいろ考えるからおすすめです。
自分の生き方は荘子に近いか遠いか、最近読んだ本で近い考えのものがなかったか、今悩んでいることに当てはめてみるとどうなのか・・etc.

感想・まとめ

まとめというか感想です。
最近「その幸運は偶然ではないんです」を読みました。キャリアは偶然の産物であるという内容で、運命に逆らわない様は荘子風だなぁと感じました。一方でキャリアプランをきっちり組んで遂行していくのは孔子型でしょうかね。

人生100年時代でライフプランの設計の必要性を叫ばれている昨今ですが、
自分の将来について考え疲れてしまっている人もいるのではないでしょうか(実際私がそうです)
そんな時に本書を読むと、頑張りすぎず、自然に身を任せようと
自ずと肩の荷が下りる、そんな本です。

雑篇に続きます