【感想】「三体」 劉 慈欣 (著), 大森 望 (翻訳), 光吉 さくら (翻訳), ワン チャイ (翻訳), 立原 透耶 (監修)

科学を殺す

「なんだかすごい本を読んでしまった・・・」

これが私の率直な感想だ。

『時と場所が変わっても、物理法則は変わらない』と述べた直後に
『想像もつかない力が科学を殺そうとしているような気がします』と続いている。

科学を殺す?

この小説は、現代の物理科学そのものを覆そうとしているの?
そんなスケール感に圧倒された。

あらすじ

本書は  汪 淼と葉文潔の2人のお話しだ。

汪 淼(おうよう・ワンミャオ):
ナノマテリアル物理学者。ある日、警察と軍人に呼ばれた彼は、科学者の連続自殺事件の捜査に協力することになる。その中で出会った『三体』と呼ばれる不思議なVRゲーム。これは、地球の存続に関わるものだった…。

葉文潔(ようぶんけつ・イエウェンジェ):
初老の天文学者。若い頃に文化大革命を経験し、運命に流されるまま、アンテナ基地の技術者になる。そこでは国家機密プロジェクトが行われていた。三体の謎を解くキーマン。

タイトルの「三体」問題とは?

三つの天体がたがいに万有引力を及ぼし合いながらどのように運動するかという問題で、一般的には 解けないことが証明されている。

感想

現代中国の科学技術への投資はもの凄い。
2010年頃は日本も中国も、科学技術開発費は同等の水準であったが、
現在、3倍近い差をつけられ、追い上げられている。

神威と呼ばれる量子コンピューターをはじめとして、
バイオサイエンスや通信技術など、世界の高水準に登ってきた。

(個人的なイメージだが、倫理的観点から禁止されている
 クローン人間とかも中国でこっそり作り始めている気がする)

この膨大な科学技術費が宇宙開発―異星人との交信―に使われたらどうなるんだろう。

文学的な楽しみもある本だったが、
中国の科学リテラシーの高さは「ここまできたか!」と感動した。
同時に、中国の大躍進への恐れも感じる。(日本大丈夫かな……)

中国では、”子供の想像力を伸ばすためにSF小説を読ませる”教育もしているみたいですね。(ますます日本大丈夫かな……)

あと、「三体」VRゲームのくだりはエンタメ性が高く面白かった!
(脱水見てみたい。プレイしてみたいな)

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