脳が認める勉強法(ダイヤモンド社)ベネディクト・キャリー

はじめに

学習理論が好きで、新しい発見をしたい人におススメ!
どんな勉強方法が有効なんだろう、と思って勉強法の本を開いて「ふんふん、確かにそうだよね」と同感しながら読むことはありますが、「えぇ~!?そうなんだ!?」と感動できることは稀です。本書の作者はサイエンスライターであることもあり、有名でない脳科学の実例も丁寧に紹介しながら、有益な勉強方法について述べてくれています。

内容

何もしなくても1日目、2日目と日を追うごとに記憶が定着する?

エビングハウスの忘却曲線をご存知な方は多いのではないでしょうか。
人がものを記憶した際に覚えている確率は1時間後で44%、一日後で33%、一週間後で25%、というアレです。
それに対比される1913年のバラードの実験というものが紹介されており非常に興味深いです。
エビングハウスとは逆で、1日後、2日後、と進むにつれて記憶の定着が深まっていくというものでした。

一度勉強してできた記憶は、それ以上勉強しなくても2,3日のうちに改善し、平均して4日後以降に記憶が損なわれ始める。

p-46 第二章 なぜ脳は忘れるのか

映像、写真、スケッチ画、絵画、そして詩などの何かを描写する言葉や文章になると、高い効力が現れる。

p-50 第二章 なぜ脳は忘れるのか

いや~、面白いですよね!「記憶する力」とは別の「記憶を検索する力」が関係しているようです。断片的に覚えているものに対して、穴埋め式に考えているうちに学習効果が定着していきます。

一夜漬け勉強は効果が無い?有る?分散学習効果

エビングハウスさんは面白い実験を他にも残しています。分散学習を推奨するものです。一夜漬けよりも、毎日短時間コツコツ勉強したほうが学習効率が良いと感じている方は多いのではないでしょうか。
(でもテスト前って一夜漬けしちゃいますよねー!!)

一日に68回繰り返し練習し、その翌日にもう7回練習すれば、12の音節をすらすら書けるようになることが分かった。ところが、覚える時間を3日に分散すると、たった38回の練習ですらら書けるようになった。

p-101 第4章 勉強時間を分散する

新しい概念を学んですぐに復習しても、記憶の定着を高める効果はあまりなく、一時間後、あるいは一日後に復習すると定着が高まる。

p-101 第4章 勉強時間を分散する

2つ目の引用はエビングハウスではなくヨストという心理学者の結果です。復習はやるだけでなく、タイミングも必要ですよね。
さて、次はワイズハートとパシュラーの研究チームの結果。

試験までの期間=最適な学習時間(学習までの間隔)
 ・1週間 → 1~2日
 ・2か月 → 1週間
 ・3か月 → 2週間
 ・6か月 → 3週間
 ・1年  → 1か月

p-116 第4章 勉強時間を分散する

なんでもかんでも1日後7日後に復習すれば良いっていうものでもないんですね。この表があれば勉強計画も立てられそう!

勉強に飽きたら別の勉強・・インターリーブ効果

勉強に飽きたら休憩ではなく、別の勉強をしましょう!というのは私の勉強ブログ「えんたんと充実ライフ」でも書いた記憶があるのですが、これにも立派な研究名があることを初めて知りました。「インターリーブ効果」というそうです。
たとえば音楽を上達させようと思う場合は、90分の間に演奏だけをトレーニングするのではなく、スケール練習、音楽理論の勉強、曲の練習を交互に行うことが好ましいようです。

星飛雄馬も大リーグ養成ギブスだけではダメで、
訓練の合間に運動理論の勉強などを取り入れるべきだったんでしょうね。
(一気につまらない漫画になりそうな予感w)

まとめ・感想

「勉強メソッドの本って、大体書かれていることが一緒!」と思ってしまっていた私ですが、本書は知らない理論や研究者の名前が充実しており新しい発見が沢山ありました。辞典的に、手元に置いておきたい1冊です。