日本とローマは同じ!?
「日本は世界の縮図です」
そう聞いたとこはありませんか?
北海道はアメリカ大陸。どちらも開拓民の土地です。
本州はユーラシア大陸。チェルノブイリと福島が近い位置。カスピ海は琵琶湖。
アフリカは九州。オセアニアは四国。
「ローマ帝国は世界史の縮図です」
同じく、「ローマの歴史のなかには、人類の経験すべてが詰まっている」
という考え方をする人もいます。
本書の著者は、歴史家。研究者。
ローマ史の専門家です。
ローマで起きたことは、同じ時代に別の場所で起きている(同時代性)
ということを中心に世界を見ています。
通常、歴史はタテ軸で物事を見ますが、
ヨコ軸で見ると違った見方が、そして面白さが見えてきます。
ローマ帝国と同様に起きた出来事
◆異民族君主
たとえば、
実は同様のことはアメリカでも起きています。
初代大統領から220年後にオバマ(黒人)
おもしろいくらいに一致していますね。
◆古代帝国
漢帝国とローマ帝国は、同じ時代に建国されているようです。
ローマ帝国の繁栄はB.C.200年ごろ。
少し東を見てみると、中国最初の統一王朝(前漢)が繁栄しています。
※なお、秦は1代で崩壊したのでカウントしない
漢は今でも「漢字」「漢民族」というように中国の代名詞となっています。
漢帝国は長く続く一大帝国のように思います。
で、A.C.1000年ごろになるとローマ帝国は崩壊に近づいきます。
面白いことに、A.C1000年を過ぎると中国でも元の台頭が始まり、異民族統治の時代を迎えるわけですよ。ある意味「漢帝国の崩壊」です。
一大帝国の栄枯盛衰の同時代性。
一致する箇所を細かく探していくと面白そうです。
◆簡素化の流れ
紀元前1世紀ごろになると
貨幣、アルファベット、宗教 etc.
散在されていたものが統一化されていくようになります。
そしてその後、世界では、ゴータマ、諸子百家、
思想家が同時代に爆発的に増えています。
彼らの共通点は、現代でも思想の根本になっているところでしょう。
なお、簡素化の流れは現代も一緒かもしれません。
多様化されていた情報が、コンピューターの登場により、0と1にシンプル化されています。
その先には何かが爆発的に増えるのでしょうか・・・?
◆ほか
バスコ・ダ・ガマはヨーロッパ~
世界を航海してアフリカにたどり着いた人で有名ですね。
実は中国人も同時代に似たようなことを行っているんです。
鄭和という人は中国~インド~アフリカのルートを船で旅をしています。
アフリカを同じ時期に発見したというのが興味深いです。
横軸の世界史は面白い
多分、本書で紹介される同時代性は氷山の一角だと思います。
同じ時代で、違う場所で、同じことが起きていた
凄くロマンを感じる1冊です。