「親父が、死んだ・・?」
ショッキングな内容から始まる本作品。
主人公の新井は、実家の営む新井クリーニング店の跡継ぎ。
大学卒業と同時に、突然クリーニング屋になった彼が、4つのエピソードを通して成長していく1年間の物語だ。
人の衣類は個人情報の塊だという。
普段は気にも留めないけれど、言われてみたらそうだ。
来ている服から職業が推測できるし、家族構成だってイメージできる。
本作品の舞台は小さな商店街だ。
主人公の新井は、最初は商店街に馴染むことができなかった。
そんななかで、お客様が預けてくる服からお客様の悩みを推理し、解決し、そしてお客様との関係を築いていく。
本書は、春夏秋冬にエピソードが分かれており
それぞれ短編集としても気軽に読むことができる。
大事件は起きないし、淡々と進んでいくのだが、
なぜか飽きずに読み進められると思う。
仕事帰りのぼーっとした電車内で、気分転換としてユルく読める本です。