世界的ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』は日本の女性にも刺さる…!

韓国で130万部突破! 異例の大ベストセラー小説!
女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!

と冠された本書。
130万部は凄い。 韓国の人口は5164万 (2018年)だぜ? 日本で130万部というのもかなりぶっ飛んだ数字なのに……!?

台湾でもベストセラーになり、ベトナム、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど16か国での翻訳が決定しているという。

あらすじはこうだ。

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。


女性の直面する生きづらさを、リーダビリティの高い小説として描いている。
非情に示唆に富む内容であるが、スッと心に入り込む、そんな物語だった。

本書の主人公であるキム・ジヨンというのは架空の人物だ。
同時に、82年の韓国で最も多い名前とされている。
優秀でも劣等生でもない、普通の女性が直面する辛さに多くの人が共感する。

この小説の特徴は、キム・ジヨンをはじめ、母親のオ・ミスク、祖母のコ・スンブンをはじめ、女性が皆フルネームで登場することだ。それだけではない。この小説では、夫のチョン・デヒョン以外の男性には名前がない。父親も祖父も名前は書かれず、男たちに名前など必要ない──強烈なミラーリングである。

訳者あとがきより


女性は往々に「○○君のお母さん」「△△さんの奥さん」「保険のおばさん」といったように名前を無視されることも少なくない。なんと皮肉が効いていることか。

韓国は英国の『エコノミスト』誌が発表した「ガラスの天井〔マイノリティや女性の昇進を妨げる、目に見えない壁〕 指数」でも、 国は調査国のうち最下位を記録し、最も女性が働きづらい国に選ばれた(原注)


出生率は一九九〇年には女児一〇〇人に対し、男児一一六・五人となったとあるとおり、特に男性偏重意識の強い国らしい。

そんな中で、女性が進学や就職・出産・キャリア等の面で女性たちが理不尽や不平等、抑圧感に苦しんでいるのは国が違えど、日本に住んでいる我々も同じだ。

自分をとりまく社会の構造や慣習を振り返り、声を上げるきっかけになってくれればと願っています、という言葉で締められた本書。
是非多くの働く女性の、そして男性方にも読んで、考えてほしい一冊だった。

日本人でも、十分に共感できます。非常に読み応えのある小説。