【感想】「中国大崩壊」入門 何が起きているのか?これからどうなるか?どう対応すべきか? 渡邊哲也(著)

中国とアメリカは一体いつの間にこんなに仲が悪くなってしまったのだろう?
「関税引き上げ」「首脳会談決裂」「経済制裁」
なんだか不穏な報道が次々に流れ、米中戦争が今に始まってしまうのではないかと心配になってしまう。

本書は、「米中の貿易戦争はなぜ?どうやって?始まってきたのか」
「世界はこれからどう変わってしまうのか?」

そんな問いに、
難しい国際情勢を平易な言葉で解説してくれている入門書だ。

リーマンショックが中国を強くした

そもそも、なぜ中国はアメリカと対抗できるほど強くなったのだろう?
それは2008年のリーマンショックにあった。

この言葉に「懐かしい!」と思う人も多いだろう。
私はリーマンショックのおかげで就職難での新卒活動を余儀なくされたので
つい溜息をついてしまう単語だ。

多くの人に不利益もたらしたリーマンショックだったが、
中国にとってはそうでもなかったらしい。

西欧諸国の銀行が不良債権を抱え、資産売却を進めた時代。
中国はそれらを安い価格で買い取り、育て上げたことが大きな分岐点だったようだ。

中国 vs. アメリカの対立の本質は「文明の衝突」

中国の買い叩いた企業はどうなったのか。
これが米中の「文明の衝突」を引き起こすことになった。

さて、ここで問題なのだが、中国は共産主義だろうか?資本主義だろうか?
私はずっと、「共産主義を掲げているけど実態は資本主義だろう」くらいに考えていた。

実際は「中国はやっぱり共産主義だった」

中国は鉄鋼業などが強い。
これらは国が介入し、資金投入をして稼働している。
多少景気の悪い時期があったとしても、国の補助があるため乗り切ることができる。

一方、アメリカのような国は資本主義だ。
不景気に耐えられなければ、非情にも倒産してしまう。

こうして、中国は国際競争力を着けてきた。

もし中国が資本主義に転じることがあれば、
バブル崩壊どころか、中国元の暴落を招き、国力低下を招いてしまう。

そうするとどうなるのか。
革命の機運が高まり、中国共産党の一党独裁体制が崩れてしまう。
この貿易戦争は、中国共産党の権力独占のための戦いでもあるのだ。

トランプは中国に甘い?

ここで、1点、日本人の多くが誤解している点がある。
私も本書を読んで驚いた。

「中国への強硬策に出たいのは、トランプではなく共和党」

どうやら共和党に言わせれば、
『トランプの対中政策は甘い』のだそうだ。
確かに、トランプ大統領は、どちらかというと「強硬策よりディール」を好んでいる。トランプが大統領を退任した後、更に柔軟性に欠ける対応を行われる可能性が高いのだ。

ただ、トランプの言動は強烈なパンチがあり、面白い。
だから日本のマスコミは、アメリカの対中施策をトランプの意見のように面白おかしく伝えてしまう。そして我々は、勘違いしてしまうようだ。

「米中戦争・貿易編」のその後は?

アメリカから中国に対する制裁は
『モノ』に始まり、『ヒト』『カネ』の分断へと続いていく。

『モノ』の分断はまさに「ファーウェイの倒産」を意味するのだと思う。
アメリカの対中の大義名分は国防だ。
情報漏洩対策のために、ファーウェイは国際市場からだんだんと締め出されていく。

そして『モノ』の分断が進むと次に行くだろう。

本書を読む限り、アメリカ・中国共に、後に引けない状況になっている。

この対立は、どちらかの国力が弱まるまで続くだろう。
同時に日本も、グローバル企業を中心に経済的な影響はきっと少なからず出てくる。

「世界情勢はこれからどんどん激動の時代を迎えてくる」
個人がそんな前提を持ってこれからを乗り切っていく気概が必要と考える。

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